古事記ストーリー

雨の岩戸開き


有名な天の岩戸開き伝説のエピソードです。

天照大御神と須佐之男命とのうけひの後、

須佐之男命が、様々な罪を犯して行きます。

この須佐之男命の犯した罪たちは、後に大祓詞に天つ罪と言われるようになる、

神道に於ける「原罪」とも言うべき罪たちです。

これらの罪の数々が、余りに残酷で醜悪であったために、

天照大御神は、

全てが嫌になってしまうんですね。

伊耶那岐命の命により「知らす」事を定められた、

この高天原を見限り、見捨てて、

天の岩戸を閉じ、立て篭ってしまうのです。

この太陽系を動かす原動力たる太陽神として、

高天原に坐して、

この太陽系に秩序と生命力をもたらしていた、

天照大御神が、隠れてしまうった為、

太陽系に光がなくなり、

保たれていたルールは崩れ、

闇と悪が、力を取り戻し、活動を開始してしまいました。

さあ、

我らの太陽系の運命は!!???

という所から物語は始まります。


古事記ストーリー


天照大御神が隠れ、太陽の力が衰え、

太陽系のエネルギーは痩せて行きました。

光は無く、ただ漆黒の世界。

遠く星が瞬くのみ。

暗闇の支配する世界は秩序を失い、

畏れるものの無くなった、

闇の化身達が、世界を闊歩し始めました。


天照大御神の元、平和を謳歌していた

高天原の神々は、

為す術無く



宇宙の祖神である高御産巣日神は、

太陽系と地球に於いて1つの魂の世界を実践、実験しようとしていましたから、

このままでは、

その初期段階に於いて、

その実験が終わってしまいます。

この状況を放って置くことの出来ないと判断した高御産巣日神は、

太陽系に於ける自らの化身である思兼命をリーダーに指名し、

高天原の八百万の神等を、

招集して、世界全体会議を催しました。

この会議に於いては、

もはや皆が話し合うというのではなく、

思兼神という、

スーパー知能の持ち主であり、

高御産巣日神の直系という背景も持つ、

言わば、

超優秀な大統領、国連総長的な神様が、

皆に迅速に、そして的確な指示を出して行くのです。

思兼神は、高御産巣日神とのホットラインもありますから、

本人は高天原デビュー戦ですが、

指示する内容は、実際に効力の高いものばかりです。

思金神のアイディアは、

なんと、

宇宙初の大コンサートを催すというアイディアだったのです。

天の岩戸の前で、

超スケールのコンサートを開いて、

天照大御神をおびき出す、というアイディアです。

自分たちの主宰神、ま、一番偉い人ですよね、

それを、おびき出すなんて、なんて不敬でしょう。

しかしながら、思金神は、高御産巣日神直系ですから、

言わば、伊耶那岐命と同世代とも取れますので、

天照大御神に対しても臆する事がありません。

これが、他の神様であれば、

天照大御神対して遠慮してしまって、同じ作戦でも上手くいかなかったでしょう。

また、実行部隊の神様達も、のびのびとパフォーマンスするのは不可能だったでしょう。

さて、

この天の岩戸開きでは、

その後の神道に於ける様々な様式が生まれて行きます。

そこは一通りおさらいしておきましょう。


まずは、コンサートのオープニングSEです。

これは、天の長鳴鳥を集めて鳴かせます。


そして、ステージセットもゴージャスです。

硬い石を取り

鉄を取り

鏡を作らせ

勾玉をたくさん作らせ、数珠にして

天の香山の男鹿の骨と樺桜で占いをして、

榊に勾玉をつけて、鏡をかけて、

さらに、布をかけ、捧げ物として、飾り、

祝詞を奏上します。

これから、

天宇受売命がライブ本番に臨むのですが、それに先立ち、天の岩戸のかたわらに隠れて立ちます。

天宇受売命の衣装はというと、

かなり露出度が高いのです。

ステージはオケを伏せたものだって事ですけど、

観客は高天原全体に坐す、八百万の神全てです。

そして、

実は、跋扈し始めていた、闇の化身達も含む、この太陽系の全ての魂、神々がこのライブを体験したのでしょう。



「高天原動みて、みな咲らふ」

とあります。

動む=とよむ、と読みます。

これは、英語のmoveの意味だと思うのです。

moveは英語で、moved として使い、心を動かされる、つまり感動するという意味です。

高天原中の神々がみな、感動して、

みながわらったというのです。

音で言うと「笑った」なのですが、

古事記では、花が咲くの「咲」という字が充てられています。

皆が感動して、花が咲いた様だったぜ、って事ですね。

また、

古事記では、

後に、木花開耶姫命という美しい神様が出てきますが、

「咲」という文字は、

やはり、桜の花が満開の景色を思い浮かべます。

冬が終わり、まだ寒い中ではあるものの、

桜の花が、わっと咲く、

冬が終わり、再び春が来る、というイメージが湧いてきます。

また、

コンサートのハイライトで、

オーディエンスたる八百万の神、闇の化身達、全ての存在が、

どーーー、っと沸いたんだと思います。

僕も、

U2のコンサートで、

but I still haven't found what I looking for を初めて見た時、

言葉にはならない感動の波が押し寄せたのを思い出します。

高天原の話ですから、

レベルは違うと思うんですけど、

みなさんも自分の体験と結びつけて想像してみてください!














読み下し文

故是に天照大御神見畏み、天の石屋の戸を開きて刺しこもり坐す。

尓して高天原みな暗く、葦原中国悉く闇し。

此れ因りて、常夜往く。

是に万の神の声は、狭蝿なす満ち、万の妖悉く発りき。

是を以ち八百万の神、天の安の河原に神集ひに集ひて、

高御産巣日神の子 思兼神に思はしめて、

常世の長鳴鳥を集めて鳴かしめて、

天の安河の河上の天の堅石を取り、

天の金山の鐵を取りて、

鍛人天津麻羅を求ぎて、

伊し許理度売命に科せ、鏡を作らしめ、

玉祖命に科せ八尺の勾たまの五百津のみすまるの球を作らしめて、

天児屋命、布刀玉命を召びて、

天の香山の真男鹿の肩を内抜きに抜きて、

天の香山の天のははかを取りて、

占合ひまかなはしめて、

天の香山の五百津真賢木を根こじにこじて、

上枝に八尺の勾玉の五百津の御すまるの玉を取り着け、

中つ枝に八尺の鏡を取り繁け、

下枝に白にきて青にきてを取り垂でて、

此の種々の物は、

布刀玉命ふと御幣と取り持ちて、

天児屋命



天孫降臨